監督日記「認められること、そして自覚すること〜メタ認知能力の育成」

指導者の大きな役割の一つは、選手たちを評価することです。

けれど、勝利至上主義にとらわれ、職業としてのプロスポーツと育成年代を預かるジュニアスポーツとの区別のつかない指導者たちは、良ければ褒め、ミスすれば叱責をし、成績と印象によって出場機会の増減を割り振ることが評価であると勘違いしています。

勝つために求められている事が出来たか出来なかったか。その一点が評価基準であり、それが出来る選手をレギュラーとして扱い、出来ない選手を補欠として出場機会を奪います。

もちろん、彼我の戦力を十分に分析してチームを勝たせるために最善を尽くすことを否定するのではありません。

しかし、あくまで育成年代を預かる指導者であるならば選手の、今の成果と課題をしっかり分析して選手本人にフィードバックしていく事が大切であり、結果として選手のパフォーマンスアップにつながるようなサイクルを生み出す指導と評価をすべきだと考えます。

そのために必要なのは、選手が自分自身のことを客観的に捉えることのできるメタ認知能力を高めることです。

リバティーズでは、タッチスコアのアプリを使用して打率や安打数、防御率や守備率、ボール率やストライク率の数値を算出しています。選手たちは保護者のスマートフォンなどを通じて成績を確認する事が出来ます。

これら主観にとらわれない選手成績の数値化は、メタ認知を促進する上で一つの大切な手法です。

そして、もう一つ。
指導者がどのような声かけをするかがメタ認知能力を育成するための大きな要因となります。

自分は監督やコーチにどのように見られ、期待されているのか。あるいはまだ数値に表れないが、成長している部分は何なのか。
今の努力のベクトルはどちらへ向かっているのか。野手なのか、投手なのか、走ることなのか、ミートすることなのか、飛距離なのか。

それらを言語化し、的確に選手に伝えていきます。小学生の選手にです。

そのためには、途方もないボキャブラリーと発達段階への理解、そして何より選手たちとの信頼関係が必要です。

指導者が選手を見る視点がかわれば、評価が変わります。
評価が変われば指導が変わり、選手が変わります。

選手が自分の存在を認められ、そして自分自身の良さも課題も自覚すること。そのためのメタ認知能力を育成するための評価です。

育成のためのリーグ戦、山陽フロンティアリーグ第1クールも最終戦を迎えます。

さらなるチームの成長と一人一人が心から野球をする喜びを味わうことのできる環境を求めて。リバティーズの挑戦は続きます。

チームへの体験、見学は毎回大歓迎。
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